2018.4.9 中国4日目 ー南京ー

4月9日、滞在4日目。現在は南京。明日には人と会うため一度上海へ戻らなければならない。つまり、南京でのリサーチは実質この1日のみだが、この滞在で足を運びたかった侵華日軍南京大虐殺偶難同胞記念館は月曜日が休みだった。相変わらず調べが甘い。

昨日の路地に朝食を食べにいく。あのときに増して人が多い。六鮮麺をいただく。とても丁寧につくってある。当然に美味。

月曜は多くの美術館、博物館が休みだったが、どのような場所に立地しているのかを知りたくて南京利済巷慰安所旧址陳列館に足を運んでみる。市場や小さな飲食店が軒を連ねる庶民的な街並みの先にそれはあった。かつて実際に慰安所であった土地を活用している。囲む塀には監視カメラがいくつも設置されていた。門から覗くと概要掲示があったが、ここに日本語表記はない。

門の隙間から中を覗いているとまた声を掛けられた。今日は壮年の男性で自転車で2000キロ移動して南京に着いたらしい。彼もここへ見学に来たが、休館日であったことをがっかりしている。「中国と日本は古くから文化的繋がりがあるし、きっと仲良くできるはずだ」と彼は言う。20分ほど話し込んだが、興味深かったのは共産党と国民党の政争に巻き込まれた南京大学の話。南京が蒋介石率いる国民党/中華民国の首都であった当時、中国全土で最も優秀な人材を集めていた南京大学。だが、1949年に国民党が台湾へと逃れて以降、複数の大学に解体させられ、その力を弱められたとのこと。国家権力と教育機関との関係性は何処かの国とも似ている。

というわけで南京大学へと足を運ぶと資料館が。さっそくエントランスには江沢民と学長との会談の写真が大きく掲示されていた。中国における政治と芸術活動との関係性も知っていく必要がある。