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アジアに沈む「沈黙」にきく。

芸術のいち役割として、いかに現時点的な時代の思想を批評していけるかという観点がある。先の大戦や原発事故など、我々は歴史の転換点となるべき場面場面に際して場当たり的に対処し、メディアやときの政府に促されるままその事象の根源や周辺を軽んじてきた。

しかしこうした大きな社会課題に真正面から当たれば、たちまち「正義vs悪」といった二元としての討論に陥ってしまう。また自身の立場から規定される「悪」を安易に排すれば、ある種のユートピアを形成することとなり、思考は止まりかえって危険だ。

芸術という抽象を施した世界にその事象を映すことで「対話」となる、皆が乗れるプラットフォームとなる。過去はそのように皆のものであり、それは演劇という媒体の根源もしくは革新である。そこにこれまで提示できなかった可能性を皆で見出したい。

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