2023/10/22 糸島国際芸術祭『マレビトシネマ』に10/22(日), 28(土)参加

10/22(日)と10/28(土)に糸島国際芸術祭にて、武田の作品映像などが上映されます。この芸術祭全体のテーマである「共同体/共異体」に合わせ、自身の作品や活動から3つ選びました(ていうか、大体いつも「共異体」な気が…)。

ひとつは大阪・此花のFIGYAと協働して上演した際の《教科書カフェ》(2019年初演)の模様。もうひとつは《たこを焼く》(2017年)というフィリピンのスラムと呼ばれるエリアでつくった作品。みっつめがいま東京都現代美術館でも展示している「朽木古屋の六斎念仏プロジェクト」(2016年から参加)というラインナップです。他の参加アーティストの顔ぶれも豊かなので、お近くでご興味のある方はぜひ足を運んでいただければ幸いです。

***
マレビトシネマ
期日|2023年10月22日(日)、10月28日(土)
時間|18:00-22:00頃まで  ※終電(一貴山駅22:34発 筑前前原行き)
参加費|糸島芸農2023フリーパス(会期中有効)2,000円(学生1,000円、小学生以下無料)※要学生証
場所|松末権九郎稲荷神社拝殿
参加アーティスト|渭東節江、神山孝史、contact Gonzo、Siba Sahabi、鈴木淳、武田力、邱 垂龍(チウ スイリュウ)
https://blog.ito-artsfarm.com/2023/10/20/8616?fbclid=IwAR2D7FNIxzHgAmcRNmT-php_CiUsiwibKU-bliP_9Bz5cPVsD2GisPYnKuM

2023/10/21 東京芸術祭 『パフォーマンス展望室』に10/21(土), 22(日)参加

東京・池袋をお散歩しながらダラダラとアレコレ展望します! 

『パフォーマンス展望室』は、#(ハッシュタグ)のテーマについて、お客さんとお話しながら一緒に展望する企画です。ぼくのハッシュタグは、「#東京での生き方」「#東京の去り方」「#大人だから始める初等教育」「#こんな世の中だから始めたい喫茶店」ということで、アジア津々浦々の現場で経験してきたことや、日々夢想していることを池袋をお散歩しながらお話し、一緒に展望できたらと思っています(実は大学時代を池袋で過ごしていたので、まあまあ詳しいです)。ゆるふわで即興的な進行となるでしょうが、武田とダラダラと、どこまでも着地しない話をお散歩しながらしたい方がもしいたら、お立ち会いください。ぼくは21日(土)は13時〜18時まで、22日(日)は10時〜18時まで展望しています。だいぶ散歩するつもりなので、歩きやすい靴でお越しください。

東京芸術祭『パフォーマンス展望室』詳細
https://tokyo-festival.jp/2023/program/performance-view-lounge/

2023/08/22 九州大学での作品発表に立ち会っていただける方を募集

8月30日(水)に九州大学大橋キャンパスで行われる授業の発表会に立ち会ってくれる方を募集しています。12月にさいたま国際芸術祭で発表する演劇作品《わたしの国からこんにちは》と同じワークショップを基に構成します。いま東京都現代美術館で展開している《教科書カフェ》も2019年に初演をし、コロナ禍を挟んでようやく作品として独り立ちしたかなあという感で足掛け5年。そんなふうに各地の現場を踏みながら、試行錯誤を共有しながら、みんなでじわじわと作品を育てていけたらと思っています。上演開始が「14:30ごろ」というのも、このあたりかなあという見込み時間です。そんな作品の「出産」に立ち会ってくれる方、以下のフォームからお申し込みの上、ぜひお越しください。https://forms.gle/5JAi23RJqiuH72Kx9

2018.4.18 中国滞在最終日 ー大連ー

4月18日。滞在最終日。かつての南満州鉄道に乗って瀋陽から大連へ。

15時発の大連行きまで、昨日に続きYuanyuanが瀋陽を案内してくれる。「どこに行きたい?」と訊かれて、日本戦犯審判法廷旧跡陳列館と9・18歴史博物館を挙げる。「日本人なのになんでそんな所に行きたいんだ?」と問われて、ああ日本に生まれ育ったから行きたいんだと自覚する。

“2018.4.18 中国滞在最終日 ー大連ー” の続きを読む

2018.4.17 中国12日目 ー瀋陽ー

4月17日、滞在12日目。かつての南満州鉄道に乗って長春から瀋陽へと南下。
12日に会った、北京でアーティスト・イン・レジデンスを運営しているSong Yiが、瀋陽のアーティスト・YuanyuanにWeChat(中国版のLINE)で繋いでくれる。瀋陽の街を案内するために宿まで車で迎えに来てくれるという。僕は外で使えるWifiを持っておらず、そして宿周辺は車の行き交う繁華街で停車できないから青いスバルを見かけたら乗り込め、というざっくりとした指示が送られてくる。「そんなんで会えるんかいな」と思っていたら青いスバルの車内から手を振る厳つい男が。Yuanyuanだった。

“2018.4.17 中国12日目 ー瀋陽ー” の続きを読む

2018.4.16 中国11日目 ー長春ー

4月16日、滞在11日目。現在、旧満州国の首都・長春。
午前中から偽満皇宮博物院へ。大日本帝国の傀儡国家とされる満州国皇帝・溥儀が1932年から終戦を迎え敗走した1945年までの13年間を過ごした御所だ。現在は博物館となっており、溥儀の妻や側室、また関東軍の官僚たちが溥儀や各建築物とどのような関わりがあったかが示されている。その女性たちの愛憎や関東軍の策略に対し清国再興の願いはあっても自身の意志ではどうにもならない溥儀の心情は痛々しい。中でもとりわけ関心を引かれたのは、三つの祈りの場だった。ひとつは中国大陸に古くから伝わる仏を祀った堂。もうひとつは清の先祖を祀った奉祖殿。そして満州国建国の元神とされた天照大神を祀った建国神廟。祈りは広く人間という生き物の原初的な行為であり、かつ個人の柔らかい心と接続する(と思う)。その祈りの場はそれぞれ残されており(建国神廟は敗戦後に破壊されているが、礎石は残っている)、溥儀が自身もっとも心を開くことができたのはどこだったのだろうと想像してみる。彼はそれぞれの場に祈りに立つとき、どのような思いでその空間と接していたのだろう。

2018.4.15 中国10日目 ー長春ー

4月15日、滞在10日目。旧満州の長春へ。北京から同じ寝台ボックスに乗り合わせた中国の男女ふたりと呑みながらたわいもない話で盛り上がる。Julyと呼ばれる女性から「それで、なんで長春へ行くの?」と訊ねられて「中国と日本の戦争の歴史を調べに」と応えると、それまで耳を傾けつつあまり話題には加わってこなかった王さんが「そんなもの調べなくていい」「酷い歴史だ」と吐き捨てる。Julyも「その歴史を持ち出せば、日本人に対していまも怒りはある」と静かに語る。ただ、あのときの日本人といまの日本人は別とした上で「日本人はわたしたちと異なる歴史認識を持っているんでしょ? それはどのような認識なの? 率直に興味があるし、はっきり言ってみて」。「これは僕個人の意見だけども」と前置きした上で、日本の現状とその歴史認識、そしてマニラでやってきた『たこ焼き』での場づくりの話をする。そして「ひとつの答えを互いに押し付けるのではなく、いろんな応えを共有しみんなで過去を考え続けられる場をつくることはアートで可能だと思っている」と言う。「実際、いまわたしたちは国家のイデオロギーとは別の位相で個人として話が出来ている。もちろんこれはただの呑み会だけれども」。すると、また沈黙していた王さんが「まあ中国もこれまで酷いことをして来ているからお互いさまだ」と、なにを具体的に指してかは分からないがそう応じた。午前1時半就寝。午前5時に長春駅着。